『ぺヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力 論理力・実行力・独創力を鍛える!』

問題解決の本を色々見ていて、目に入った。
まさにタイトル勝ちだろう。
「ペヤングソース焼きそばで問題解決が学べるの?!」
思わず手に取る。
そしてこの黄色。食欲をそそる。(そうじゃない)

 

さて。内容は。

論理的思考(ロジカルシンキング)、イノベーション、
そして問題解決できない、いわゆる「できない理由を探してしまうタイプ」を
3人の会社同僚として擬人化している。
イメージしやすい。

この3人が、お昼に何を食べるか?という問題解決をする。
その候補として、ペヤングソース焼きそばが登場する。

タイトルが、内容の状況説明になっている。
秀逸。

 

目次は以下の通り。

1時間目 論理的思考を学ぶ
2時間目 プログラミング的思考を学ぶ
3時間目 イノベーション的思考を学ぶ

 

1時間目の内容は、いわゆる問題解決の手順というより、
「全会一致の最適解、最大幸福、を導き出す方法」が書かれている。

「そもそも論」から論理的思考が始まる、なんて、
誰も言ってくれなかったな……と子ども時代を振り返ってしまう。

話を蒸し返すな! ……となってしまうと、「全会一致の最適解」は遠のく。

そして、「ステージ」という考え方。
「カップやきそば」のステージに「おいしい」「おいしくない」のステージが乗っていて、
その上に具体的なカップやきそばたちが乗っている。…のか、
「買い置きがある」「買い置きがない」のステージが乗っているのか。

今、自分が、そして相手が、どのステージに立って話しているか。
それを意識するだけで、どこまでいっても平行線の話し合いの構造を明確化できる。

「買い置きがあるからそれでいいじゃん」という意見と
「おいしいのが食べたいんだよ!買ってくる!」という意見の食い違いを、
全会一致に導く糸口。

 

更に、イノベーターはここに「生麺やきそば」というステージを持ち込む。
一番下の土台だった「カップやきそば」は、「やきそば」と、
その上に乗る「カップ」に分離し、横に「生麺」「食べに行く」といったステージが乗り始める。

そして、そもそも、「ソース味のおいしいものが食べたい」というのが
最初のステージだったことが確認される。
こうなると、「たこ焼き」「とんかつ」…などなど、次々とステージが増える。

ある意味、アイデア出しにも使える手法だ。

問題解決としては、この、アイデアがあふれ出たところで、
「限界からの引き返し」ポイントが見える、という。
人生や宇宙にまで簡単に話は広がってしまうからこそ、まずそこまでステージを広げ、
生活や安全にかかわるような案件の場合には見落としがない議論をする、ということだ。

結果、最初の「どのカップやきそばにするか?」に戻ったとしても、
生麺が出てきたくらいで「今日は外へ食べに行く気はないだろ」と否定してしまうと、
どこかにモヤモヤが残る。
そして多くの会議がそういう状況であり、だから全会一致に至らない。

「そこまでは必要ないよね」と全員が思うところまで、一度、到達する。
そこから引き返すために。
それが議論を尽くす、つまり論理的に考える、ということだとこの本は述べている。

 

……いいなぁ。

 

と、ここまでウキウキと読み進めて来たが、
最終的な決定は「もうここまでに議論を尽くしたから」という
三択から独断で決める結末…。

残念ながら、ちょっとこれは腑に落ちなかった。

 

2時間目のプログラミング的思考は、フローチャートの説明。
買い置きではないカップ焼きそばを買いに行くことになった、
その流れをフローチャートで書き、くりかえし部分を分離して構造化している。

 

3時間目のイノベーション的思考は、
発想の壁を取っ払うためのツールがいくつか紹介されている。

馬上・枕上・厠上の「三上」
デフォルト・モード・ネットワーク
ブレインストーミング
セレンディピティ
マトリクス活用法
などなど。

いのべさんが、どうやって、おいしくない買い置きカップ焼きそばを食べるか?
その結論も書かれている。

 

ぺヤングソースやきそばで学ぶ問題解決力 論理力・実行力・独創力を鍛える!
谷藤賢一(著)、日本能率協会マネジメントセンター (2019/12/11)

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