『動きたくて眠れなくなる。』

目からウロコ。そして具体的。
「やりたくないを科学する」という副題も素晴らしい。

 

やってみたいと思っても”不安”…
やるべきだとわかっていても”めんどくさい”…

そんなふうに、”感情”に支配されている行動。

…しかし。
こうした状況を重々承知のうえで、
筆者は言い切る。

あなたの感情は、あなたの足を引っ張らない。
それどころか感情はあなたが生まれたときからずっと、
あなたが願っている場所へたどりつけるように見守り、
助けてくれている最高のパートナーだ。(プロローグ p.6)

…なんだか、泣けてしまった。
ずっと反発していた親が、実は自分をフォローしてくれていた、と知ったら、
こんな気持なんじゃないだろうか、というかんじ。

自分をずっと振り回していると思い込んでいた”感情”が…
実は自分の一番の理解者であり、応援者…!

 

一風変わった目次は以下の通り。
ジュモンをひとつずつ覚えていくような印象。

プロローグ
1 ヘンカン
2 レシピ
3 フォーカス
4 ゲンゴカ
5 キバクザイ
6 ジカン
7 シツモン
8 ロックオン
9 ヘンケン
10 ウワガキ
11 サイクル
12 カチカン
13 ホシイモノ
14 マナブ
15 カキカエ
16 チカラ
17 サホウ
18 ハンシャ
20 カイソウ
21 ササエル
22 シドウリョク
23 イシソツウ
24 ヒカク
25 ショリ
26 ゴイ
27 インユ
28 ヘンシン
29 レンゾク
エピローグ

 

本文に進もう。
読んでいるだけで…元気が出てくる。

たとえば、「1 ヘンカン」。
プロローグでも述べられていた、感情は味方、ということが再び述べられている。

(前略)なんとなく感情には「自分の背中を押してくれるもの」と「足を引っ張るもの」が存在するように思えてしまう。

 でもまずはじめに言っておこう。からだの器官がすべて不可欠であるように、無駄な感情なんて一つもない。(中略)すべての感情はいつでもあなたの役に立とうとしてくれている。あなたの人生がより良い方向に進むように、24時間見守ってくれている。(p.15)

…泣く。
嬉しくて泣く。

そして、これがどういう意味なのか、説明が続く。
これがとても納得できる。

大きく分ければ感情には”快感”と”痛み”の2種類しかない。
”痛み”のせいで我々は行動できなくなることが多いが、
その意味づけは”ヘンカン”することができる。

たとえば、「怖い」。
これは危険を回避しようという支援なのだ。
自分を守ろうとしてくれている感情なのだ。

「過去にいやな思いをした。避けるべきだ!」(p.17)

この意味付けを、ヘンカンする。

「これから経験していないことが起こるかもしれない。だから、できるだけ準備しておこう。準備ができたら、心配せずうまくいくことについて考えよう。」(p.19)

…なるほど!
危険だから避ける、ではなく、危険だから準備しよう、と思えばいい、ってことだな!

「怖い」の他に、
傷ついた、怒り、イライラする、落胆、罪悪感、場違いな感じ、
絶望・無力感、孤独、といった感情をヘンカンしている。

極めつけはこれだ。

もっと”快感”を効率的に得るために必要なのは、”痛み”から逃げないという心がまえだ。質の高い”快感”というものは、たいてい”痛み”の先にあるからだ。(p.16)

さらっと、説明の途中で何気なく書かれているが、
「そうか、だったらがんばってみるかな」と筆者もまた背中を押してくれる。

 

こんな調子で29項目、
何をどうしたらいいか、どう捉え直したらいいか、
実践しやすい形で提示されている。

アンソニー・ロビンズ(世界の経営者や指導者から信頼を寄せられているコーチであり講演家)を知り、
彼のトレーニングを受けに大学時代、アメリカへ行ったという筆者。

他の多くのコーチングや精神論とは一線を画す、ハマる人には「これを探してた!」という一冊。

 

動きたくて眠れなくなる。 (Sanctuary books)
池田貴将 (著) 、サンクチュアリ出版 (2012/4/10)

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