『問題解決フレームワーク大全』

問題解決といえば、
いわゆる「問題解決の流れ」が紹介されて、
ブレーン・ストーミングや、KJ法といった手法がいくつか紹介されて、
それとは全然関係ない演習が紹介されて…

そんな印象があって、モヤモヤとしていたときに出会った、
「こんな本があったのか!」という一冊。

 

なにしろ、大全と銘打つだけあって、100種類以上の手法から厳選された37種類が紹介されている。
しかもそれが、どのようなアプローチで問題を解決したいかに応じて7つに分類されている。

本書では、経営学だけでなく、社会学、心理学、教育学、さらには哲学といった垣根を越えた多様な分野の問題解決技法を大きく7つに分類し、効果を発揮している37種を厳選。おのおのの手法について、1)基本的な進め方、2)実践する上でのヒント、3)これも知っておくと便利、の3ステップで、まるで「問題解決手法のカタログ」のように各手法の特徴と機能、使いこなしをギュッと凝縮して解説します。(Amazon内容紹介より

この7つのアプローチは、そのまま章タイトルになっている。

第1章 ギャップ・アプローチ 真の原因を見つけ出す
 1 ロジックツリー
 2 親和図法
 3 プロセスマッピング
 4 因果関係分析
 5 リフレクション
 6 ベンチマーキング
第2章 創造的アプローチ 斬新なアイデアを生み出す
第3章 合理的決定アプローチ 最適な解決策を選び取る
第4章 ポジティブ・アプローチ 目標の達成に歩を進める
第5章 対立解消アプローチ ジレンマから抜け出す
第6章 認知転換アプローチ 問題のとらえ方を換える
第7章 ホールシステム・アプローチ 知恵の創発を生み出す
 33 ワールドカフェ
 34 OST
 35 フューチャーサーチ
 36 ワールドワーク
 37 U理論
第8章 実践!7つのアプローチ 問題解決を実践してみよう!

面白いのは、第8章。
なんと、ひとつの問題を、この7つのアプローチで解決しているという…!
「問題がある。原因を究明しなければ」…とは限らない、ということがわかる。
まずは第8章をお読みいただくことをおすすめする。

 

ところで、そもそも、なぜこんなに多くの手法を知る必要があるのか?
「ハンマーしかないと、すべてが釘に見える」
欲求段階説で有名な心理学者アブラハム・マズローの言葉。
つまり、ひとつの手法しか知らなければ、その手法で強引にでも解決しようとする。
相手が豆腐であっても釘とみなしてハンマーで叩いてしまうのだ。
結果はどうなるか、おわかりだろう。

そうならないために、まずは、第8章に目を通して、
ひとつの問題に対して様々なアプローチの方針があるのだと実感し、
ひとつひとつの手法について、気になるものを読んでみて、
実際に使ってみると良いだろう。
問題解決手法の辞典として手元に置きたい一冊。

 

問題解決フレームワーク大全
堀 公俊 (著) 、日本経済新聞出版社 (2015/8/4)

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