『お手伝い至上主義! ―「自分で決めてできる」子どもが育つ』

 

最近の子どもたちには、母親というマネージャーがついている。
特に中学受験ともなれば、「親の戦争だ」などと言うこともある。

「お母さん、次の予定は?」
「お母さん、ちゃんと準備しておいて~」
それが当たり前と思う子ども。そして親。
変だと思わなければマズイですよ、という本。

 

三姉妹の子育てを、「ヒマ・貧乏・お手伝い」を軸に実践している本だが、
おそらく特筆すべきは、筆者が「お父さん」である点だろう。

ちなみに、2011年に出版された本の新版。

 

第1章 子どもたちに与えすぎていませんか?

「与えすぎる日本の親たち」に続いて、与えすぎないほうが良いものをひとつひとつ説明。
モノ、カネ、勉強(の押し付け)、といったよく言われることだけでなく、
指示、予定、答え、といった「ほぉ」と思うものが並んでいる。
一番おもしろいのは「夢」かもしれない。
いずれも、対義語のようなキーワードが、トピックの最初に掲示されている。

 

第2章 子どもたちに、本当に与えたいもの -ヒマ・貧乏・お手伝い

貧乏を与える、という表現は面白い。
言われてみれば、親は子どもの貧乏状態を作ることができる。
お小遣いを与えなければいいのだ。

しかし、そこにきちんと納得できるルールが必要になる。
特に携帯電話を契約してほしい娘達と父親(筆者)との攻防は興味深い。

 

第3章 グローバル社会に向けたトレーニング -放牧型イベントマネジメント

三姉妹にとっては、高校進学も、大学進学も、大学に受かってからの下宿決めも、大イベントとなる。
まず、父親(筆者)から、「高校は義務教育ではないから行きたいならそう申告すること」と告げられる。
進学したい理由も添えて。

大学も、どの学部へ進学するか。
下宿先は自分で不動産屋をまわって見比べる…!

当たり前のようでいて、まったく本人にやらせない親が増えてるこの時代に、
不動産屋のほうが驚くという。…だろうな。

 

第4章 「ヒマ・貧乏・お手伝い」で親も笑顔になれる

「楽しい子育てへの4原則」として、両親の心構えが述べられている。
その4つとは、クール、ルール、ロール、エール。

親は子どもの応援団となるべし。

この姿勢は素敵。

 

お手伝い至上主義! ―「自分で決めてできる」子どもが育つ
三谷宏治 (著) 、プレジデント社 (2016/6/25)

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